中古住宅の選び方

こんにちは。スタッフの岡部です。


ようやく過ごしやすい季節になってきました。
それは虫たちも同じなのか、最近カメムシをよく見かけるような。
今年も大量発生してしまうのでしょうか…。


では、今回のテーマはこちら。


「中古住宅購入のポイント」


相次ぐ資材や人件費の高騰により、住宅の新築価格は年々上昇し現在も高止まりが続いています。
それに加えて住宅ローン金利も上昇。
しかし、賃金の上昇はなかなか追いついていないため、新築住宅は売り手と買い手双方にとって厳しい時代となっています。

家は人生で一番高価な買い物、とはいっても限度はあるわけで。

私たちもこの仕事をしている以上、お声がけいただけたらそれは大変嬉しく有難いことなのですが、家を建てたが故にお客様の今度の人生が苦しくなってしまう、という状況にはなってほしくありません。


そんな厳しい状況の中、戸建て住宅を持ちたいと思っている方の選択肢のひとつとして、中古住宅があります。
中古だからお手頃!というわけではありませんが、ゼロから建物を作っていく注文住宅に比べるとコストを抑えてマイホームを持つことができます。


一口に中古住宅の購入といってもその方法は様々。


①中古住宅を購入してそのまま住む。

メリット
初期費用が安い。土地や住宅購入費用のみで済む。

デメリット
風呂、トイレなど古い水まわり等への心理的抵抗感。
老朽化により、後々大掛かりなリフォームが必要となる可能性がある。


②住宅会社によってリフォーム済の中古住宅を購入する。

メリット
リフォーム完成後の状態を確認したうえで購入できる。

デメリット
構造などの見えない部分を確認できない。
住宅会社が中古住宅を購入しリフォームをして販売する場合、水まわり設備の交換や、外壁塗装、クロス・床材の張替えなど、目に見える仕上げ部分の工事のみであることが多い。
壁の中など構造部分に関してはそのままであることが多いが、確認が難しい。


③中古住宅を購入してから自分でリフォームを依頼する。

メリット
自分の希望通りのリフォームができる。
間取りの変更や構造・断熱など、希望する内容でのリフォームが可能。

デメリット
費用がかかる。
大規模なリフォーム工事の場合、工事前にはわからなかった不具合などが発見されることも多々あり、その場合は追加工事の費用などが発生する。


中古住宅の価格は、多くの場合築20年~30年程度で不動産としての評価はゼロになり、土地のみの価格で販売されていることがあります。
築年数が浅いほど建物の価格は高く、古いほど安い。

しかし、築年数のみで建物の質が判断できるかというと、そんなことはありません。
以前住んでいた方がどんな住み方をしていたか、どの程度メンテナンスをしていたかなどによっては、築年数が経っていても状態の良い建物というのは存在します。

ですので、築年数のみで中古住宅の価値が決まってしまうのは残念なことである反面、古くても価値のある建物が安く手に入る可能性があるということでもあります。



中古住宅を購入するにあたって気になるのが耐震性能です。
例外はあるものの、基本的には古い建物ほど耐震性能が低いという認識で問題ありません。

建物は、その建築確認日によって採用されている耐震基準が違っています。

・1950年~1981年5月31日 : 旧耐震基準
・1981年6月1日~2000年5月31日 : 新耐震基準
・2000年6月1日~現在 : 2000年基準(現行の木造住宅の耐震基準)


耐震性能の面から中古住宅を選ぶのであれば、築25年程度の物件であれば、現行の木造住宅の耐震基準である2000年基準に適合しています。
尚且つ価格の面でも、築年数により不動産の価値はゼロに近くなっていると思われるため、検討の価値はあるかと思います。

では、築25年より古い建物は避けた方が良いのかというと、そんなことはありません。
旧耐震基準や新耐震基準の建物であったとしても、耐震改修工事を行うことで耐震性能を確保することが可能です。
耐震改修工事については国や自治体からの補助金が受け取れる場合もあります。

旧耐震・新耐震基準(特に旧耐震!)の時代に建てられた中古住宅を購入される場合は、耐震改修についても検討されることをお勧めします。


そして、耐震性能と共にもうひとつ考えておきたいのが、省エネ性能(断熱性能)についてです。
これも建物が古いほど断熱性能も低いと考えて問題ありません。

先程も申し上げたとおり、住宅会社によってリフォーム済で販売されている中古住宅の場合、断熱改修はされていないことが多いです。
見た目は綺麗に直されていても、日々の生活の快適さや光熱費に影響が出てきます。

断熱について未改修の物件購入を検討されている場合は、住宅会社の方に確認するか点検口を覗かせてもらうなどして、どんな断熱材が使用されているか実際に確認されることをお勧めします。


省エネ性能については、2025年4月以降から、すべての新築建築物に対して省エネ基準(現在は断熱等級4以上)に適合していることが義務化されているのですが、それ以前に関しては基準こそあったものの努力義務の範囲でした。

その建物が建てられた当時の省エネ基準を参考にした性能の建物であることが多いとは思いますが、その基準自体が現在と比べて低いこと、あくまで努力義務であったため、その基準よりも低い断熱性能で建てられている場合もないとは言い切れません。


築年数が古い住宅を敬遠するあまり、築浅でまだ住宅本体価格も残っている中古住宅を購入した場合、断熱改修をした方が良い建物であったとしても、本体価格に予算をとられ、資金が足りなくなってしまうといったこともあるかもしれません。

ならばいっそ、築30年~40年以上の古い物件を購入して、耐震・断熱も含めてフルリフォームしてしまう方が、性能も新築と変わらずトータルコストも抑えられる、という結果もあり得ます。



新築か中古住宅か。
中古住宅の場合はどんな物件を選びどこまで手を入れるのか。


住宅の基礎コンクリートの耐用年数が大体60年~100年程度と言われているので、その後は役目を終え解体される可能性が出てくることを考えると、その後何年その家に住み続ける予定か、住宅ローンはいつまでに返済予定か、家を継ぐ人はいるのか…などなど。

お客様の人生設計によって住宅の選び方も様々です。


新築住宅を検討されている方の中で、なかなか良い土地が見つからない、費用が不安。
もしそんな方がいらっしゃいましたら、「中古」という言葉に惑わされず、一度検討されてみてはいかがでしょうか。


ではまた次回!